剣山(つるぎさん)は、標高1,955mの徳島県最高峰の山です。西日本では石鎚山に次ぐ西日本第二の高峰で、日本百名山のひとつ。
剣山という名前のために険しい山だと連想されがちですが、見た目はいたって穏やか。山の名の由来は、頂上にある宝蔵石の下に、安徳天皇の御剣を埋め、御神体とした説と、頂上の下にある高さ35mの巨岩が剣の形をしているからという説があります。
頂上からは、太平洋や瀬戸内海、石鎚山をはじめ、条件がよければはるか大山まで望むことができます。また、剣山の魅力はなんといっても希少な動植物の存在です。
動物では、ニホンカモシカ、野生のシカ、イノシシ、リス、ニホンザルや、なんと絶滅したのではないかと思われていたツキノワグマの目撃例もあります。
また植物は、宮尾登美子の小説「天涯の花」のモデルとなったキレンゲショウマの群生が見事で、夏場にはこれを目当てに多くの人々が訪れます。
剣山のおすすめ登山コース
一般的なコースは、七合目の見の越から剣神社を経て頂上に向かい、下りは刀掛の松経由、登山リフト西島駅で合流する周遊コースです。
ビギナーなら七合目の見の越から登山リフトに乗り換え、およそ15分で、標高1750mの西島に到着。
そこからビギナー向けの大剣コースを剣山に向かいます。
途中、大剣神社を通ると石灰岩でできた巨岩に出会います。大剣神社からは、ダケカンバ、ナナカマドなどの高山性樹木が目立ち、さらに進むと宝蔵石神社に到着。頂上に張り巡らされた木道を登れば、剣山三角点に到着します。
山頂までの歩行時間は約45分。登山入門者にとっても比較的やさしい山といえるでしょう。