標高2052mの幌尻岳は、日本百名山の1つでもあります。

毎年夏には、一面高山植物のお花畑となる山頂付近のカール状大地や、豊富な動植物群、山頂からは幾重にもなる日高山脈の山並みが一望できたりと、魅力あふれる山として全国から多くの登山者が訪れています。

しかし登山者にとっては、厄介な山としても知られています。理由としては3つ。

① 雨が降ると沢が増水して登下山できなくなってしまう
そのため、予備日と予備食を多めに持たなくてはなりません。

② 交通の便が悪い
登山口までバスがないため、タクシーかレンタカーで行く以外ありません。

③ ヒグマが出没する
林道は人通りが少なく、ヒグマとの遭遇確率が高いようです。

運命を味方しないと、入山さえできないこの山ですので、幌尻岳を「百名山の聖地」という人もいます。

壮大なカールが織りだす不思議な光景

「ポロシリ」はアイヌ語で「大きな山」を意味します。山腹にはナキウサギやクマゲラなどの動物や野鳥が生息しています。山の上部には、氷河に削られてできたカールが見られ、幌尻岳の7つ沼カールとして「日本の地質百選」に選ばれています。